バイクレースに参戦しているチームはいろいろとあります。ワークスチームもあれば、プライベートチームもクラスによっては多数参戦している場合もあります。今回紹介するヨシムラは、オートバイや自動車用の部品の開発・製造を行うだけでなく、レース参戦も進めています。日本国内では最強のプライベートチームとして恐れられています。
ホンダをいきなり破ったヨシムラ
ヨシムラは特に日本のバイクレースの黎明期に大きな注目を集める存在になりました。なんといっても大きかったのは、第1回鈴鹿8時間耐久レースでした。こちらにはバイクの大手メーカーも多数参戦していました。中でもホンダはこの時代すでにバイクレースの世界では海外でも知られた存在になっていました。ホンダが絶対的な本命と思われていたのですが、なんとヨシムラがホンダを破ってしまったのです。当時数名の町工場に過ぎなかったのに、世界的なメーカーを打ち破るジャイアントキリングは、何度もメディアで取り上げられました。
この番狂わせをきっかけに、国内外で注目を集めるようになりました。創業者の長男の不二雄によると「アメリカ人でバイクに乗っている人ならヨシムラというカタカナはほぼ読める」と豪語しているほどです。実際北米では日本以上に高い知名度を誇るといわれています。
ちなみに鈴鹿8耐は第3回大会でも優勝しています。そこからしばらく優勝争いから離れていたのですが、2007年に開催された第30回大会で久しぶりに優勝を収めました。その後2年後の大会でも優勝を果たし、名門復活を高々に宣言しました。
特徴的なスタイル
ヨシムラのバイクを見てみると、ほかのメーカーにはない特徴がいくつかあります。例えば製造しているエンジンパーツは基本的に4ストローク用のみのラインナップになっています。これは創業者の吉村秀雄が「4ストロークのチューナーだけが成功する」という持論を持っていたことが影響しています。これは彼の人生が影響しているようです。戦時中予科練生や航空機関士として、航空機の製造やメンテナンスに携わってきました。彼は飛行機に携わっていた時代は、4ストロークのレシプロエンジンが主流だったことからきています。
また集合管マフラーもこちらのメーカーの編み出したアイデアの一つです。先ほどの鈴鹿8時間耐久レースで勝利を収めた原動力になったアイテムといわれています。集合管マフラーの登場で、マフラーの本数が多ければ多いほど良いとされてきた当時の発想の根底を覆す出来事でした。
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