Kawasakiの『ZX10-R』と『ZX-10RR』は、川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーが製造販売する大型バイクです。初登場は2004年で、それまでKawasakiの1,000ccクラスでスーパースポーツモデルの代表だった『ZX-9R』の後継モデルとして開発されました。
『ZX10-R』と『ZX-10RR』の搭載機能
『ZX10-R』と『ZX-10RR』は、一般の市販車としては史上初のパワーウェイトレシオ1kg/PS未満のマシンです。ハードなブレーキングにも対応できるよう、『ZX-RR』のバックトルクリミッターも受け継いでいます。また、『ZX10-R』と『ZX-10RR』のマフラーはオーソドックスで、同じく2004年に発売されたホンダの『CBR1000RR』やヤマハの『YZF-R1』のセンターアップマフラーとは対称的なデザインです。
『ZX10-R』に搭載のエンジンは、ライバルマシンと同じく、ドライブシャフト、メインシャフト、クランクシャフトを三角形に配置しています。ただし、ライバル車ではメインシャフトが上に配置されていましたが、Kawasakiは下に配置する形を採用しました。『ZX-RR』に装備されていた、小型ながらクランクシャフトを2倍の速さで回転させて発電量を得ることのできる「倍速ジェネレーター」を装備している点も大きな特徴です。
2016年のマイナーチェンジでは、騒音規制の基準が変わったことに対応するため、アジア仕様の排気系をヨーロッパ仕様のそれと共通にし、200PSフルパワー仕様のモデルが発売されました。また、専用エンジンや軽量化ホイールなどで、サーキット走行によりふさわしい『ZX-10RR』を投入しています。
2018年に、それまで『ZX-10RR』のみに採用されていたクイックシフターを全車標準装備としました。加えて、電子制御サスペンションが搭載された『ZX-10RSE』というモデルも発表されています。
『ZX10-R』と『ZX-10RR』の違い
『ZX10-R』と『ZX-10RR』では、価格に大きな差があるものの、見た目はそれほど変わりません。ところが、エンジンがまったく違っています。後者はレースに勝つことに特化したエンジンで、ホイールやブレーキホースも『ZX10-R』と異なる仕様です。パワーの差は1psですが、回転数は『ZX-10RR』のほうが高くなっています。つまり、『ZX10-R』と『ZX-10RR』の価格差は、見た目ではなく、エンジンの差と言えるでしょう。
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