トラックレーシングに興味がある人でも、ギャンブルをしないとオートレースを観る機会はそれほど多くないでしょう。オートレースという競技自体は公営ギャンブルなので有名ですが、それに使用されるバイクがふつうのバイクとどのように違うのかを知っている人は少ないです。実は、トラックレーシング用のバイクのなかでも、ボートレース用のバイクはかなり特殊なスタイルになっています。
トラックレーシング用バイクのなかでも特殊なオートレース用バイク
オートレース用のバイクの第一の特徴はブレーキがないことです。この点に関しては、フラットトラックレーシングやスピードウェイのバイクとも共通しています。オートレースでは選手同士がかなり接近して走行するため、ちょっとしたブレーキ操作が追突事故にを起こしてしまいます。そのため、ブレーキを装備していないのです。その代わりエンジンブレーキはかなり強力になっています。また、レースに必要のないランプやメーター類もすべて取り払われています。キックペダルもセルモーターもないので、エンジンをかける時は押しかけです。
オートレース用のバイクで最も特徴的なのが、左右のハンドルの高さが違うことでしょう。オートレースは左回りにトラックを走るトラックレーシングであり、トラックには傾斜がついています。そのため、常に左に傾いて走ることになるわけですが、その状態で車体を安定させるために左のハンドルだけが高くなっているのです。
オートレース用のバイクはコーナーでの接地を良くするために、タイヤは断面が三角形のものを採用しています。しかし、新品のままでは接地性が不十分なので、実際に使用する前にトレッド部分の表面を削ったうえでコースを何周かするというように、「当たりつけ」を行なうのがふつうです。また、雨天用タイヤはなく、トレッドの低いものを晴天用、高いものを雨天用として区別しています。なお、タイヤは3~4レースごとに取り替えます。
また、フレームはダイヤモンド型フレームです。上下のパックフレーム、エンジンプレート、エンジン、三角フレームをすべて連結したフレームで、最小限に変形を留めます。サスペンションの構造も独自のもので、フロントはテレスコップ形式のフォーク、リアはリジットです。
このように、トラックレーシング用のバイクでも、オートレースと他の種類の競技ではバイク自体がかなり違うことがわかりました。今度オートレースを観る機会があったら、ぜひこれらの違いに注意して観戦してみましょう。
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