バイクが好きでオンロードレースやオフロードレースをよく見るという人でも、サイドカーレースに注目している人はそれほど多くはないのではないでしょうか。「サイドカーのレースって面白いの?」と思うかもしれませんが、実はこれが非常にアグレッシブでダイナミックなレースなのです。
通常のオンロードレースとは一味違うサイドカーレース
サイドカーとは、通常の2輪のバイクの横に「側車」という1輪の車台を取り付けた3輪車のことです。あまり街中では見かけませんが、かつて『人造人間キカイダー』で主人公のキカイダーが乗っていたバイクといえばおわかりの方も多いことでしょう。サイドカーの歴史は古く、ヨーロッパでは19世紀から使われています。このサイドカーを使ったオンロードレースがサイドカーレースです。
通常のオンロードレースではバイクを運転するライダー1人だけですが、サイドカーレースでは、運転する「ドライバー」と同乗する「パッセンジャー」の2人1組で競うという決まりがあります。ドライバーはバイクのアクセル操作やブレーキングを担当し、パッセンジャーは全身を大きく動かして体重移動でバイクのバランスをコントロールします。3輪でバランスの悪いサイドカーですが、ドライバーとパッセンジャー、それにバイクの三者が一体になった時、4輪車よりも速いコーナーリングが可能になるのです。
パッセンジャーの動きに注目
通常の2輪のバイクは曲がる時にバンクできますが、サイドカーは側車があるのでバンクができません。そのため、バンクせずにハンドル操作だけでコーナーリングを行います。そのままでは高速でカーブに突入するとひっくり返ってしまいますが、パッセンジャーが巧みに体重移動させてバイクを見事に制御するのです。
サイドカーレースではパッセンジャーの動きに注目です。高速コーナーでは、バイクから体を大きく乗り出したりぶら下がったりするようなアクロバティックな格好でバイクを制御します。しかも、側車には手すりが付いているだけで体を支えるものがありません。時には側車から飛び出しそうになりながらも、大胆に体重移動してマシンを制御する姿が見ものです。
通常のオンロードレースとは違う魅力
サイドカーレースは海外では2輪のオンロードレースと同じように人気ですし、日本でもJRSA主催のレースが開催されています。さらには、よりアグレッシブな「サイドカークロス」というオフロードレースの開催されているくらいです。一度観戦すれば、通常のオンロードレースとはまた違った魅力を感じるのではないでしょうか。
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