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【特集】星野知也 選手取材 in 筑波サーキット

MFJ 全日本ロードレース選手権 ST1000クラスに参戦中。
驚愕のコーナーリングスピード&テクニック!ますます目の離せないスペシャリストを電撃取材!

今回Rscer’s Hackは、MFJ 全日本ロードレース選手権でST1000に参戦し、BMWを駆る星野知也選手の取材をさせて頂くことができた。

愛称『ほっしー』と多くの方から慕われる星野選手は『TONE RT SYNCEDGE4413 BMW』に所属し活躍している。

星野選手 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW所属


筑波サーキット最終コーナー(ART走行会)

コースインを待つ星野選手のマシン

 

そしてこの素敵なご縁をプレゼントしてくれたのがレーシングスーツメーカー、「プライドワン」代表の和田功一社長である。
サーキットを走る事で生じるリスクを大幅に軽減してくれる最新テクノロジー搭載のレーシングスーツを提供している。
(本記事後半で紹介しております)

プライドワン 代表和田ご夫妻

星野選手を取材させていただいたのは、令和3年6月18日に行われた『ART(アルタ)走行会』後である。
19日と20日に筑波サーキットで開催された『全日本ロードレース選手権筑波大会第4戦』の直前である。
星野選手が走る「ST1000」クラスは昨年2020年に新設されたクラスであるが、昨年はコロナ禍の影響で筑波での開催は無かったため、今年2021年が筑波では初レースとなった。
コンパクトな筑波サーキットで1000ccのレースは過酷である。また2年目に入ったST1000 は他のクラスからトップライダーが転向してくるなど目が離せないクラスでもある。

6月18日に行われたART(アルタ)走行会

RH:星野さん、それでは宜しくお願い致します!

星野氏:はい。よろしくお願いします!

ART(アルタ)走行会後、インタビューの様子

 

ART走行会のタイム。上から8番目、ゼッケン『6』が星野さん。

RH:今日6月18日はアルタ走行会でしたね。お疲れ様でした!星野さんが走っているときにモニターをチェックしたらタイムが57秒台でしたね!

星野氏:はい、最後7秒2でしたね。

RH:初日から凄いですけど、これからさらに上げていく感じでしょうか。

星野氏:今日は1本目マシントラブルが出ちゃって、ちゃんと走れなかったんですが、2本目はなんとかそれが直ってくれて、もともと午前中にやるはずだったメニューを何とかこなすことが出来て、最後は完全なところまでは行かなかったですけど、ある程度良いフィーリングは掴めましたね。

RH:なるほど。マシントラブルは大変でしたね。お疲れ様でした。ところで、星野さんが走るST1000は昨年新設されたクラスですね。

星野氏:そうですね。昨年新設されて今年は2年目になるのですが、昨年の筑波サーキットのレースは無かったため、この第4戦が筑波初レースになりますね。

走行前の綿密な打ち合わせ

 

星野さんにとって筑波サーキットはどのようなコースですか?

RH:他のコースと比べて、ここ筑波サーキットのレースはどんな感じですか?

星野氏:やはりコンパクトなコースなので1000ccで走るにはコースが狭すぎるかなって感じですけど、見てる側のお客さんからすると、筑波サーキットはすぐ近くをライダーが走るので楽しめて良いんじゃないですかね。

RH:確かに我々のホント目の前でレースをしてくれるので筑波のレースは最高です!
他のコースに比べて狭いここ筑波サーキット。勝つ為のポイントはありますか?

星野氏:まあ、勝ち得るかどうか分かりませんが、とにかくすごく狭いコースで、他のサーキットと違うのは一つのミスで終わってしまう確率が高いということ。エスケープゾーンも狭いですしコース幅も狭いので一つのミスがアダとなってしまう。ミスが出来ない。20周のレースをミスなくこなす事が一番重要だと思いますね。

RH:なるほどですね!

タイトなコーナーが続く!

 

プロレーサーへの道

RH:それでは少し昔の話をさせて頂きます。1995年に関東ロードレースGP125チャンピオンになりました。それからは毎年のようにレースに参戦されてますが、それでは今の1000ccになる前、思い出深いレースがあれば教えてください。

星野氏:そうですね。以前事情があって1年間休んだ時期があったんですけど、そこから復帰した時に、環境に恵まれた良いチームに入って、それまでは予選に通るかどうか微妙な感じだったんですが、そのチームに入った途端、いきなり予選6位とか、決勝も一桁に入ったりとか、21年前、その時が正直嬉しく、思い出深い中の一つですね。「ああ、ぼくも全日本で活躍できるんだ~」って実感しました。それまでは「誰も僕の事を知らないんじゃないか」、みたいな時代もあったので。
そこで諦めることなく、ずっと続けてきたからこそ、今こうして出来ているのかなって思います。

RH:なるほど。素晴らしいご縁ときっかけがあり、そして諦めずに続けて来た。大切ですね。

RH:では、次に星野さんがプロレーサーの道を選んだきっかけを教えて頂けますか?

星野氏:もともと僕には3つ上の兄がいまして、その兄が先にレースを始めたんですね。で、僕が中学時代に、兄がバイクの免許をとってレースをやり始めて、その兄を見て「いいな~バイク」って思いましたね。
そして兄はミニバイクからレースを始めたんですよ。
始まりは完全に兄の影響でしたね。

RH:そのお兄様の影響でレースを始められた訳ですけど、レースをやるにしても当時は学生なので、どなたか協力者が必要だったと思います。
ご両親も応援してくれたんですか?

星野氏:そうですね。応援してくれましたね。でも不思議な事に、両親はバイクの免許も車の免許も持っていなくて、そんな家庭だったのに兄はバイクに興味を持ったんですよね。そんな環境だったのにどうして兄貴がバイクに興味を持ったのか不思議でしたね。

RH:なるほどですね。ちなみに星野さんの最初のマシンは何ですか?

星野氏:そうですね、いちばん最初に走った時はNSR50でミニバイクでしたね。それが15歳の時。
その後19歳の時にRS125というちゃんとしたレーサーを買って走ったのが、スポーツランド山梨というコースでした。
そこから筑波のライセンスを取って筑波を走り始めましたね。

RH:なるほど!

ピットにて。ART走行会

 

星野さんの走りの秘密

RH:星野さんはコーナーリングが速いというお話をよく聞きます。私は今日ここ筑波で星野さんの走りの動画を撮影してたんですが、ずっと走りを見させていただき、コーナーリングも速い事がよく分かりました。それにこの間、しんたろうさんの「炎の動画」を見たのですが、そこでも星野さんの速さの解説をしていました。

星野氏:(笑)そうですね。サーキットを走っていちばん楽しいのはコーナーですからね。もともと僕は小排気量が長かったので、どうしても「コーナーリングのスピード命」みたいなところろがあったので、まあその走りが今でも受け継がれているのかな。
昔で言う、大きなマシンを走らせるときはコーナーを抑えて走り、それ以外でとにかくアクセルを開ける、それでタイムが出る、という感じでは今はもう無い。
今は電子制御の影響だったりとか、またタイヤも良くなってきているので、コーナーも頑張らなくてはならない。そこで以前小排気量を長くやっていた経験が役に立っているんです。

RH:なるほど!すべては今に繋がっていますね!

提供:PRIDEONE

撮影ポイント:1ヘア

 

将来の目標と節目、そして世界へ

RH:変わって今後のお話をうかがいたいのですが、星野さんは今後モータースポーツを続けていくにあたり、何か目指している一つの目標や区切りみたいなものは有るのでしょうか。

星野氏:そこは難しい。レーサーとしての辞め時とかすごく難しくて、僕もどうしたら「走れない」って思えるんだろうって。自分自身、自問自答している部分もありますね。
いきなり遅くはならないですよね。怪我して乗れなくなっちゃうのか、体力的に乗れなくなっちゃうのか。
僕は今まで特別な体力トレーニングってしたことが無くて、実は去年怪我をして4か月間、バイクに乗れなかったんですね。そしたらさすがに筋力が落ちて、疲れて乗れないって事は無いんですけど、筋トレをした方が良いと思い、今年からやり始めました。
今のこのチームにではST1000でチャンピオンを取りたい、勝ちたい、というのと、あとは若い渥美心もいますから、彼も表彰台に上げる、という目標でやっているんですけど。そのチームが目指している目標に、自分の成績がそぐわなくなってきたら、活躍できないとか。そうなって来たら「俺はどうするんだろう」って、自分自身考えているところでもあるんです。
やはり若手育成もありますから。今、若い子に負けることもあるわけですよ、現時点で。
今日の走行は勝ちましたけど(笑)。
でもやはりそこで、私もライダーですから負けると悔しいわけです。でも悔しいからと言って若手に対して「おまえもう速いんだから好きにやれよ」みたいな、そういう風な事をやってしまったのでは、チームとして相応しくない。
そこは大人として若手が速く走れるように全てを教える、という段階なので。
それが終わった時に、はたして僕に走るモチベーションが有るのか無いのか。それは現段階では分からない。
今はとにかく全力で取り組んで、ST1000クラスを2台で表彰台に上る事が近々の目標です。
あとは、2016年にチームがマレーシアで世界耐久に出て3位になったんですけど、今度はボルドールの24時間にみんなで出よう!という目標が有って今動いているので、それが来年なのか再来年なのか分からないですけど、そこに向かってチームが動いています。それもなんとか成し遂げたい。
それが終わった時に、自分が乗りたいと思うのであれば、その時にはまたいろんな可能性が沢山ありますから、そこはそこで、その時になってみなければハッキリした事は分からない。
あと、和田さんにも、「とにかく後釜を見つけるまでは引退はするな」と言われてますから(笑)。

RH:この先将来の一つの区切り、そこはなかなか難しいところですね。なるほどですね。

画像:TONE®提供 (星野選手=中央)

星野選手=中央

画像:TONE®提供 (星野選手=中央)

RH:先ほどマレーシアの耐久で3位という素晴らしい結果を残したお話をうかがいました。
そこで世界に出る事となったきっかけは何だったのですか?

星野氏:鈴鹿8耐ですね。チームが8耐で20‘19年にSSTクラスで優勝したからこそ、さらに実力を試すために、そして「今のチームであれば海外のサーキットに行っても通用する」という確信もあり、マレーシアで戦いました。そして3位という結果を残しました。
だから次は24時間しかない。日本のチームが単独で24時間レースに挑んだというのは今まで無かった。
そこはやはり成し遂げたいですよね。それで結果を出せたら最高じゃないですか。

RH:はい!最高です。楽しみですね!

星野氏:結構賛同してくる方もいるんですよ。「自分も一緒に付いて行ってその場にいたい」って言う方もいるんです。
まあ今はコロナで難しいですが、実現できるまでは引退できないですね。

RH:なるほど!

 

BMWについて

RH:それではマシンの事をうかがいたいのですが、現在チームのマシンはBMWですね。
ボルドールもBMWで戦う事になると思うのですが、BMWってどのようなバイクですか?

星野氏:BMW、凄く良いバイクですよ!
外車って変なんじゃないの~って最初は思っていたんですけど、そんな事は無い、なかなかいいバイクですよ。
しかし当然レースなので難しい部分もあるし、相手がある事ですから「ここが遅い」「ここが速い」、とか、そこを良くするためにはどうするの、あーするの、とか。
レースですからそういった意味では色んな問題点は出てきますが、BMWは素直な良いバイクですよ。

RH:なるほどですね!乗ってみたくなりました(笑)

 

予選、そして決勝への意気込み!

RH:明日から予選、そして決勝となるわけですが、今回の意気込みをお聞かせいただけますか。

星野氏:そうですね。今回筑波を走るのは4年ぶりなんですよ。その前に走ったのは2017年でST600クラスでした。その時は決勝が雨で優勝しているんです。そして今回のレースは天気予報だと雨の予報なんですが、ぼくは雨嫌いじゃないので。
ただ今回のダンロップのレインタイヤと筑波の組み合わせというのは初めてなので、どういう感じになるのかまだ分からない。
それと小さい筑波は1000ccにはキツイんですけどね、でも僕は元々筑波サーキット育ちですし、走るからには目指して頑張っていきたいと思います。

RH:はい!応援しています!頑張ってください!

星野氏:それと、観戦に来てくださる方々に、ここ筑波に関して言うと、ST1000のレースは初めてですから、間近で1000ccという凄くパワーがあって速いバイクが皆さんの目の前を走って迫力が有ると思うので、大いに楽しんでいただいて、そして筑波だけではなく他のサーキットでもレースがありますから、ぜひ足を運んでいただいて応援してもらえたら嬉しいです。

RH:そうですね!サーキットによって走り方やマシンのセットアップも変わる、そんな走りも目の当たりに出来るし、サーキットの雰囲気、音、オイルの焼ける臭いなど、体感しながら応援できると充実しますね!

RH:本日はいろんなお話をうかがえて感謝しています!ART走行会でお疲れのところ、貴重なお時間を頂戴し素敵なインタビューが実現しました。
これからも日本のモータースポーツの為に宜しくお願いします!また、明日明後日の2日間、お怪我の無いように表彰台狙って頑張ってください!
本日は本当にありがとうございました!

星野氏:はい!こちらこそありがとうございました!

 

編集後記

今回プライドワンの和田代表からご縁を頂き実現した星野知也選手の取材。
予選と決勝が目前のART(アルタ)走行会にお邪魔したのだが、突っ込んだ質問にも快く答えて頂き、そして短時間だったが彼と時間を共有してみて、星野選手が『ほっしー』と多くの人から慕われる理由が良く分かった。
私の勝手なイメージだけど、彼は次世代の事を想いモータースポーツに取り組む職人気質のプロレーサーである。
国内レースに留まらず、世界も視野に入れて活躍して頂きたい。そして星野選手の様な次世代の素晴らしい若手選手の育成にも期待してしまう。
今年のレースは7月17日・18日の鈴鹿も終わり残り2戦となった。
9月4日・5日の『第6戦 スーパーバイクレースin岡山』
9月18日・19日の『第7戦 スーパーバイクレースin九州』
である。
バイクレースはやはりライブで観戦すると感動もケタ違いである。
世の中の状況が改善したら是非ともサーキットに足を運んでいただき、ライダーと同じ空気間の中で思い切り応援しよう。
我らがほっしー、怪我の無きよう、表彰台を狙ってもらいたい。
Double box

Special Thanks!

今回星野知也選手との素敵なご縁をプレゼントしてくれたのが、レーシングスーツメーカー『プライドワン』代表の和田功一代表である。
プライドワンのレーシングスーツは、唯一”首”を守れるアイテムであり、ライダーの”身体”と”命”を守るテクノロジーが搭載されている。
ご存じの通り、バイクに乗ると生じるリスク、それは「転倒」「事故」である。
さらに、日常ではありえない速度域で走るサーキットで万が一のダメージは大きい。
今回取材した星野知也選手は全日本ライダーの中で一番長く(10年目)ネックエアバッグ内蔵レーシングスーツを愛用している1人である。
ここで『BMW G310』のガイドブックで星野選手のネックエアバッグに関するコメントが掲載されている。
『初めてネックエアバッグを使用した時から安心感がありました。万が一転倒した時にも首と頭を守ってくれる事から、身体へのダメージも少なく致命傷にはならない。また、ネックエアバッグが作動する事で、首が固定され、ヘルメットも守れるので、転倒により、ヘルメットが損傷する確率も減ります。過去に何度もネックエアバッグに助けられ、今となっては無くては走れないアイテムとなっています。』

星野選手はネックエアバッグ内蔵のレーシングスーツを愛用している(提供:PRIDEONE)

【各リンク先】
星野選手のfacebook
星野 知也 – ほっし〜 – hossy#46
ほっしーTwitter
TONE®のホームページ
星野知也Whikipedia
プライドワン@レーシングスーツメーカー

筑波サーキット
MFJのホームページ

☆予告
今回の筑波サーキットの動画は近日アップいたします!乞うご期待!by youtube

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