Ninjaレーサー・髙橋良充氏
今回はプライベートでレースに参戦している髙橋良充さんのガレージにお邪魔した。
以前Double boxで取材した堀江昭氏の紹介である。堀江氏と同じNinjaを駆る。
ガレージの中には様々なマシンやパーツが所狭しと並んでいて正に宝箱。その宝箱の中で取材させてもらい、髙橋さんのここに至るまでの経緯を聞くことができた。またプライベートライダーのほぼ全員と言っていい人たちが苦労する「仕事とレースの両立」、このあたりのお話も頂けた。
db:髙橋さん、お忙しいところスミマセン!本日は宜しくお願いします!
髙橋さん:はい!宜しくお願いします!
db:早速なのですが(笑)バイクに乗るきっかけは何だったのでしょうか。
髙橋さん:レースですか?
db:そうですね、まずは「バイク」に乗ることになったきっかけからお願いします。
髙橋さん:3つ上の兄貴がいて、その兄貴が16歳からバイクに乗っていたんですね。やはりその影響もあったんでしょうね。中学のころからバイクが好きで、下敷きの中にgsxr400やfx400rなんかの写真を入れてましたね。
16になって中免をとってね。それで高校の時に友達が筑波でSP125でレースやりたいって言って、その影響もあってΓ125を16号にあったスガヤさんで買ったんですよ。それで筑波のライセンス取ったんだけど、その頃はまだ公道も楽しくて久留里峠やマザー牧場近くの峠道を走っていました。私最初はスズキ党だったんでrgv-250Γなんかも乗りましたね。やはりバイクに乗り始めたきっかけは兄貴の影響でしたね。
その後車に乗るようになってからは車だけになっちゃって、ドリフトみたいな遊びをしていて、その後24歳ころかな、レーシングカートに出会いその世界にはまってしまって、レース初めてローカルレースやって、地方戦に出て、全日本に出て。
db:え~!凄いですね!
髙橋さん:カートの全日本やるとレースが年間6戦しかないんですけど、最低のレベルでも年間400万円くらいかかるんですよ。
一方資金力のあるチームだと600万800万っていうレベルで、レースが一年に6回しかないのにそれだけ金がかかって、28歳か29歳の頃だったかな、ばかばかしいなって思ってレーシングカートをやめましたね。その後仕事仲間の影響もあってバイクの大型免許を取りました。
そのころ近所に同級生がやっているバイク屋があって、そこにこのNinjaがあって、同級生の勧めもあって譲ってもらったんですよ。
そのバイク屋が筑波のテイストに出ていて、そこからですかね、バイクのレースをやりたいなと思って始めたのは。
db:なるほど
レースを始めてからは何年くらいですか?
髙橋さん:始めたのは2010年だったかな。
db:と言うことは、今年が2019年なので10年目ですかね。
髙橋さん:そうですね。そのくらいですね。
db:このNinjaはいつからレース仕様に?
髙橋さん:これは3年前くらいですかね。当時はスズキの400Γをもらってそれでレースに出ていたんですが、あまり調子が良くなくてね。
このNinjaはサーキットでファミリー走行で走っていたけど、街乗りはそんなにしていなかったのでこのNinjaをレーサーにする事にしたんです。そこからですね。
db:ここまで仕上げるのに相当かかったのでは?
髙橋さん:そうですね、なんだかんだ掛かりましたね(笑)
db:なるほど。
現在出場されているレースは筑波のテイストですか?
髙橋さん:はい、テイストだけですね。
db:そうですか。髙橋さんのホームコースは筑波と言うことですね。ほかのコースも走るんですか?
髙橋さん:ミニバイクで京葉スピードランドに行ったり、筑波のコース1000も走ったりしますね。
db:このNinjaで特に手をかけた所はどこですか?
髙橋さん:エンジンですね。エンジン、最初は自分で造って壊して、それで群馬にあるショップに行って造ってもらったんだけど、ケースがいたずらして3回くらい壊れたんですかね、テイスト前に立て続けに、前々日に壊れて前日に壊れてみたいな。
そこのショップでエンジンを3機造ってもらいましたね。
結局今までで5機くらいエンジン造ったんでしょうかね。
db:それは相当かかってますね。
髙橋さん:ですね~(笑)
db:スペアーエンジンってあるんですか?
髙橋さん:あります。アップライズっていうショップで大須賀さんっていう人なんですけど、元々プロのメカニックでRS-ITOとかでレースメカニックをやってる人で、その大須賀さんにエンジンをお願いしています。練習用のエンジンもそっちにあるんですけど、これが本番用のエンジンで、練習と本番はエンジンを積みかえながらやりたいんですけど、なかなか、練習も行けないので(笑)、前回のテイスト終わって何もいじってないですね。
db:練習の頻度は?
髙橋さん:レース前、1,2か月の間に集中的にやる感じですね。行く気はあるんですけど、仕事も忙しくてなかなかね~。
db:なるほど。
db:Ninjaの今後の計画はありますか?
髙橋さん:とりあえずエンジンはそれなりに出来ているので、今後は足回りを煮詰めてタイムを縮めたいなと言うところですね。足回りですね。
db:髙橋さんの筑波のベストタイムは?
高橋さん:2秒5ですね
db:お~。
目標タイムはありますか?
髙橋さん:とりあえず1秒台ですかね。
db:今までサーキットを走ってきて大きな怪我とかは?
髙橋さん:怪我自体は指を骨折した位ですけど、一度筑波の最終コーナーで大転倒して怪我は大したことなかったんですけど、バイクがスポンジバリアに激突して逆さまになってえらい事になっていましたね(笑)
db:それは大変でしたね
レースを続けるにあたってご家族の理解はどうですか?
髙橋さん:基本的にはあまり干渉しないんですけど(一同笑)
そうですね、あまり触れないようにしています(笑)
db:髙橋さんがテイストで出ているクラスは?
髙橋さん:Fゼロ(F ZERO)ですね。
db:分かりました。それでは、これからレースに出たいなと思っている方々にアドバイスをお願いします。
髙橋さん:最初はサーキットの走行会とかに行ってみて、そこで楽しいなと思えれば次にライセンスを取って、ファミリー走行から始めて、それでだんだん熱量が高くなれば、バイク造って、って言う事をやって行けばいいと思いますね。一気にお金かけて造っちゃって、いざ走ってみたら、なんか違うなって感じになって後戻りできない金額になってる場合もありますからね。少しずつ無理のないようにやった方が良いですね。
db:今年はまだレースがある訳ですが、レースに対する意気込みを聞かせてください。
髙橋さん:現在そんなにバイクバイクと一生懸命になれる環境ではないので、まあ、遊べる範囲で遊べればいいかなって。
db:なるほどですね。
現在会社の代表を務められているわけですが、仕事とバイクの両立となるといろいろ難しいところもあると思いますがどうですか?
髙橋さん:そうですね。やはり会社が忙しくないときは私が忙しく仕事を取に行かなくてはならない。サーキットは会社が安定して仕事を抱えられるようになってからでないと遊べないので、立場的に遊べるように思われますが、なかなか時間は作れないですかね。
db:なるほどですね。
レースの直前1,2か月前からコツコツと練習するんですね。
髙橋さん:そうですね!
db:このガレージの計画は?
髙橋さん:このガレージの中に仕事の機材も混在しているので一度整理して仕事関連のものを別にしてもう1回キッチリして使いやすいガレージにしたいですね。
db:マシンのメンテナンスはご自身でもやるんですか?
髙橋さん:そうですね、自分でやれるところは自分でやるけど、エンジンや足回りに関してはプロに任せますね。
db:わかりました。
それでは最後に、髙橋さんにとってバイクとは
髙橋さん:ストレス発散ですかね。それと小さいころから競争ごとが好きで乗り物が好きで、気持ちが盛り上がるんですよね、自分が。ただ、シャカリキになって上を狙うって言うのはなくなってきましたね。若いころはあったけど(笑)
db:(笑)なるほどですね!
それでは本日の取材は以上となります。お忙しいところお付き合いいただき有り難うございました!
髙橋さん:いえいえ、ありがとうございました!!
db:アキラさん、終わりました!
この時先日取材した堀江昭氏が駆けつけてきてくれて、取材を見守っていてくれた。
堀江氏と髙橋氏は友人で、今回堀江氏が我々dbに髙橋さんを紹介しご縁を繋げてくれた事で実現した取材だった。「アキラさん、ありがとうございます!」
この後、当然の成り行き(笑)で缶ビール片手にバイク談議に花が咲いたのは言うまでもない(笑)