サーキット走行における転倒時の怪我はしばしば重症につながりやすく、自分だけでなく、ほかのライダーまで巻き込むリスクもあります。どんなときに転倒しやすいのかを押さえるとともに、サーキット走行における転倒時の怪我を避けるためのポイントを確認しておきましょう。
よくある転倒のパターン
タイヤが限界を超えると起こるのがスリップダウンです。タイヤがスリップして、コース上を滑るように転倒してしまいます。転倒時は地面に激突しますが、その後はコース上を滑って行くため、怪我のリスクは意外と少ないです。
タイヤがいったん滑ってから、急にグリップが回復して、ライダーが投げ出される形で転倒するパターンもあります。こちらは空中に放り出される格好になるため、大怪我のリスクの高い危険な転倒です。
ほかのバイクに追突した拍子に転倒するパターンもあります。コーナーリングやブレーキング中に他車と接触した場合に、よくあるのが相手との速度差が大きいときです。ピットアウトの際に後方から走ってきたバイクと接触する事故などは、最も危険が大きいと言えるでしょう。
これ以外にも、マシントラブルによる転倒があります。エンジンオイルが走行中に漏れ、それでタイヤが滑って転倒する事故などはよく聞く話です。そういうことのないよう、サーキットで走行する前には必ず、バイクをしっかり整備しておきましょう。
サーキット走行における転倒時の怪我で注意するポイント
サーキット走行における転倒時の怪我は避けられないこともありますが、あらかじめ注意点を押さえておくことで、ある程度は怪我のリスクを小さくすることが可能です。次に挙げるポイントをチェックしてください。
1つめは、なるべく脱力することです。「あっ!」となると反射的に体が硬直してしまいますが、硬直した状態で転倒すると、怪我のリスクが大きくなります。格闘技の受け身のように、なるべく体から余計な力を抜き、全身で転倒のショックを受け止めるとよいでしょう。
2つめは、頭を守ることです。頑丈なヘルメットをかぶっているため、よほどのことがなければ直接的なダメージは大丈夫ですが、転倒の拍子に首をひねってしまうことはよくあります。先ほど「転倒したときは脱力することが基本」と述べましたが、同時に、首を引っ込めるように体を丸めることを意識するとよいでしょう。首や頭へのダメージが減ります。
最後の1点は、転倒したらできるだけバイクから離れることです。バイクと一緒に滑っていくと、大変危険です。なるべくバイクとは違う方向に滑るようにしてください。
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