『GSX-R1000』は、SUZUKIが製造販売するスーパースポーツモデルの大型バイクです。2000年モデルの『GSXーR750』のエンジンから排気量を987.8ccにアップし、スイングアームやフレームが強化された車体にて、2001年に発売されました。SUZUKIによると『GSXーR』シリーズのフラッグシップモデルであり、走る、止まる、曲がるなどのバイクの基本性能を追求した1台となっています。
SUZUKI『GSX-R1000』に至るエンジンの変遷
『GSX-R1000』に搭載されているエンジンをさかのぼると、ルーツは『GSX-R750』(1996年型)に由来します。これは3分割のクランクケースエンジンでしたが、750ccの排気量に最適化したエンジンであったため、排気量のアップのことは考えられていませんでした。そこで、シリンダピッチに余裕がなく、1気筒あたりボアを1mmしか広げることができなかったという事情があります。
また、エンジンを新たにゼロから作るには時間とコストが非常にかかることから、シリンダヘッドは『GSX-R750』(2000年型)と共通にし、ストロークを13mm伸ばして59mmとしました。その結果、排気量は987.8ccとアップし、最高出力も160PSとなったのです。スーパースポーツモデルとしてはロングストロークのエンジンとなりましたが、それゆえに扱いやすくなったとも言えます。
なお、SUZUKI『GSX-R1000』登場時のライバルと言えば、ヤマハ『YZF-R1』やHONDA『CBR929RR』でしたが、エンジンのパワーはそれらより勝っています。プロダクションレースでは改造範囲が限られますが、ノーマルでパワーに差があるため、『GSX-R1000』が圧倒したレースもたくさんありました。
SUZUKI『GSX-R1000』のフルモデルチェンジ
『GSX-R1000』は2017年にフルモデルチェンジが施され、エンジンや足回り、フレームなどが大幅に変更されました。エンジンには202馬力の直列エンジン、電子制御も大幅に見直され、すべての面で大きく向上したモデルです。それでいて、このクラスのバイクではライバル車より価格設定が低く、コストパフォーマンスに優れた1台に仕上がっています。
レースベース車ですが、街乗りにも適した装備が満載のモデルです。ワンプッシュでスタートできるエンジンのほか、電子制御は標準グレードまですべて最新装備であり、パワフルながら扱いやすいモデルとなっています。
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