「FIM世界耐久選手権(通称EWC)」は。世界モーターサイクリズム連盟(FIM)が主催する耐久ロードレースの世界選手権です。FIMが主催する「ロードレース世界選手権」「スーパーバイク世界選手権」と並び、「世界三大レース」と呼ばれるレースのひとつです。
FIM世界耐久選手権の特徴
FIM世界耐久選手権は1年間で数戦にわたって行われるオートバイレースの世界選手権です。レースの名称に「耐久」とある通り、数時間から24時間の長時間レースを行うことがその最大の特徴と言えます。日本の鈴鹿サーキットで行われる「鈴鹿8時間耐久ロードレース」も、FIM世界耐久選手権の一戦として開催されているものです。
三人が1台のマシンに交代で乗り、決められた制限時間内で、より多く周回数を稼いだチームが優勝するレースです。バイクレースとしては珍しくピットストップがあり、走行中アクシデントがあっても、ピットまで押して行ければ再スタートできるなど、他のレースにはない見どころも特徴です。
名物「ル・マン式スタート」
ル・マンと鈴鹿で行われるレースでは「ル・マン式スタート」と呼ばれる独特のスタート方式が名物となっています。通常のグリッドからのスタートではなく、予選順位で決まった順序で並べられたバイクに、スタートの合図と同時にコースの反対側に並んでいたライダーが駆け寄りバイクに乗って走り出すという、他にはないスタート方式です。
お祭り的盛り上がりを見せる地元レース
ロードレース世界選手権やスーパーバイク世界選手権と違い、世界耐久選手権は地元のレース(日本では鈴鹿8耐)のみ出場するチームも多く、通常のワークスチーム以外にも、プライベーター(個人参加者)やカスタムメーカー、有名ショップでの出場も多いのが特徴です。
鈴鹿8耐の前夜祭では、コース上でバイクパレードを始めさまざまなイベントが行われます。『来場者とレースをより近くに』というコンセプトによって、近年では前夜祭に大きなステージを設けずナイトピットウォークがメインとして行われるようになっています。前夜祭は家族連れで訪れる観客も多く、まるでお祭りのような賑わいを見せます。
大手メーカーでない企業の活躍の場
地元参戦のチームも多いことから、大手メーカーワークス以外からも活躍する企業が登場することも、世界耐久選手権の特徴になっています。日本(鈴鹿)ではヨシムラやモリワキといった企業の活躍が見られ、鈴鹿8耐をきっかけに世界への知名度も上げています。
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