テクニックの高さを競うトライアルの魅力をたっぷりと楽しめる全日本トライアル選手権
クロスカントリージャンルの中でも、ライダーのテクニックをじっくりと見ることができるのが、トライアルと言えるでしょう。トライアル競技は時間勝負ではなく、いかにしてミスなくコースを走破できるかということがポイントとなってきます。沢や岩などの自然環境の中、そして人工的に作られた障害物をマシンで走破していきます。それぞれのポイントで、足つきや後退などのミスを犯さずに越えられるかということが採点され、すべてのポイントを越えた段階で最もポイントが高いライダーが勝つというシステムになっています。
このトライアルはヨーロッパでの人気が特に高いですが、日本国内レースとしても注目を浴びるようになってきています。テクニックが高く国際的に活躍している日本人ライダーも増えてきていますので、よりレースが盛り上がるようになっているというのも、一つの良い傾向と言えるでしょう。
日本での歴史が意外と長いトライアル選手権
バイクによるトライアル競技というのは、イギリスで始まったとされていて、まだ歴史の浅い競技です。世界選手権が始まったのは1975年なのですが、実は全日本トライアル選手権はそれよりも2年早い1973年となっています。それだけ日本における競技の浸透が早く、ライダー、ファンともにトライアルにはまる人が多いのです。
全日本トライアル選手権は主に2つのクラスに分けてレースが行われます。国際A級クラスと国際B級クラスとなっていて、世界で活躍するプロライダーや若手のライダーが集まって熱い戦いを繰り広げます。スピードを出して勝ち負けを競うということではなく、一つ一つのセクション、つまり障害物を美しく乗り越えられるかということがレースのポイントですので、じっくりと観戦できるのが魅力です。テレビやインターネットでも競技の様子を見ることもできますが、やはりレース会場で実際に見るのが一番です。会場によって異なりますが、セクションのかなり近くまで観客が入ることができて、ライダーのテクニックをごくごく間近で見られるのが魅力です。ちょっとした重心移動やアクセル、ブレーキの微妙な調節、そしてライダーの集中している様子などをリアルで見られるのがファンを引き付けるポイントとなっています。他のレースとはちょっと異なる魅力がありますので、このレースにも注目してみると、よりバイクの楽しさが理解できるようになります。