トラックレーシングの他の競技もそうであるように、オートレースでもマシンのメンテナンスは選手自身が行います。というわけで、マシンのメンテナンスが上手な選手ほど有利な勝負が期待できるように思ってしまうわけです。ただし、それだけがオートレースの勝負を決めるわけではありません。やはり、オートレースとは、選手自身の技が何よりも勝負を左右するトラックレーシングなのです。
トラックレーシングのなかでもコーナーがポイントになるオートレース
オートレースはトラックを6周するトラックレーシングです。6週ということは、コーナーは24回しかありません。直線で前の選手を抜くことは難しいため、各選手ともにこの24回のコーナーで勝負をかける必要があります。
オートレースのコースの特徴としては、第2コーナーと第4コーナーが加速区間、第1コーナーと第3コーナーが減速区間となっています。そこで大切なのが「立ち上がり」と「突っ込み」です。
「立ち上がり」とは、第2コーナーと第4コーナーで直線に出ていく時の加速動作のことです。コーナーの真ん中辺りでバイクのバランスを整えて方向を変えつつ、同時に加速もしながら、大きな弧を描きつつ直線ラインのやや外側を狙ってコースを取ります。
「突っ込み」とは、直線から第1コーナーと第3コーナーに入っていく時の減速動作のことです。オートレース用のバイクにはブレーキがないため、エンジンブレーキの効かせ具合や、マシンのバンク角、前後の選手の位置に応じた自車の位置取りなどを瞬間的に判断する必要があります。
オートレースの選手は、この立ち上がりと突っ込みで技を駆使しながら他車を抜きにかかります。そのテクニックを堪能するのもオートレースの大きな楽しみです。立ち上がりの際、内から外へ、または外から内へとコースを変えていく「切り返し」、スピード差を生かして外側から一気に追い上げる「捲り」、内側から思い切って突っ込んでいく「差し」などが追い抜く時のテクニックです。オートレースを観戦する時はこれらのテクニックにも注目してみましょう。
トラックレーシングのなかでもコース取りが重要なオートレース
コーナーだけでなく、それ以外の場所でのコース取りもオートレースでは重要です。コース取りがわかると選手がどのようなレース展開を考えているかがわかるため、オートレースの楽しみがより広がります。イン走法、アウト走法、それらを組み合わせた自在走法を駆使しつつ、各選手がトップを狙っているのです。
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