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エネルジカ エゴ コルサ

MotoGPに2019年度から新しいカテゴリーとして電動バイククラスの「MotoE」がスタートします。しかし、現状日本のバイクメーカーはまだ競技用電動バイクの製造を行っておらず、海外の主要メーカーも同様の状況です。そんな状況下、MotoEに供給されることになったのが、エネルジカモーターというメーカーの市販電動バイク『エネルジカ エゴ コルサ』というマシンです。

エネルジカモーターとは

エゴ コルサはエネルジカモーター社製の『エゴ』という電動バイクをレーサー仕様にチューンアップしたバイクです。
エネルジカモーターはイタリア初の電動バイクメーカーで、社員50名・年間生産台数500台程度と、かなり小規模なメーカーです。レースにはもともと内燃機関のバイクで参戦していましたが、2009年から電動レーシングバイクで、欧州を中心に電動バイクのレースに参戦しています。

エネルジカがマシン供給を行える理由

弱小メーカーであるエネルジカがMotoGPにマシン供給できるのは、その親会社がCRPグループという工業系の大手企業だからです。CRPグループは、F1や競技用ラリーの技術開発の他、MotoGPマシンに使用されるエンジンの部品供給を行っており、モータースポーツ業界で広範な実績を誇る企業です。そのCRPグループの子会社であることが、MotoEを開催する国際モーターサイクリズム連盟(FIM)の承認を得ることができた理由であると考えられます。

「エゴ コルサ」の性能

エゴ コルサの車体サイズは、通常のバイクのリッターマシンクラスです。市販車である「エゴ」は最大出力120kw。これは通常の内燃機関エンジンでは163.2PSに匹敵します。最大トルクに至っては、カワサキのH2Rを上回る200N・mとなっています。エゴ コルサはレース仕様にチューンナップされますので、さらなるパワーアップが見込まれます。内燃機関エンジンと違いクラッチ・トランスミッションがなく、モーターの回転数を上げれば最高速度時速270kmが見込めます。ただし車体重量はかなり重く、260kgもあるため改善の必要がある部分とされます。

電動バイクであることのネック

通常の内燃機関エンジンを搭載したマシンの場合、転倒等のトラブルがあってもピットで修理できればコースに戻れます。しかし。エゴ コルサの場合、モーターに破損が生じるとピットでは対応できないという問題があるそうです。そのため、エゴ コルサにはレース中破損が生じた場合に競技続行の可否を判断するためのライトが取り付けられるということです。

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