モトクロスレースの中でも、エクストリームスポーツに分類される「フリースタイル・モトクロス」をご存じでしょうか?通常のモトクロスレースと違って、スピードではなく空中で繰り広げる多彩な技を競うスポーツです。そんなフリースタイル・モトクロスを簡単に紹介しましょう。
モトクロスレースのなかのエクストリームスポーツ
フリースタイル・モトクロスは、アメリカやヨーロッパで人気のエクストリームスポーツです。アメリカでは、「X-games」やレッドブルの主催する「X-Fighters」といった大会が人気を集めています。
フリースタイル・モトクロスは、最初、1990年代にモトクロスレース用のマシンを使った遊びとして生まれました。アメリカでは早くから人気となり大規模な大会が開かれるようになりましたが、日本でイベントが開かれるようになったのは2000年以降です。国際A級ライダーとして世界的に有名な佐藤英吾が持ち込みました。2000年に秋田県で最初のイベントが開催され、それ以降は日本各地でも徐々にフリースタイル・モトクロスを始めるライターが増え、今では各地でイベントやデモンストレーションが行われています。
危険度の高いモトクロスレース
通常、モトクロスレースではゴールまでの時間を競いますが、フリースタイル・モトクロスでは、「カタパルト」と呼ばれる鉄製のジャンプ台を使って跳躍し、着地するまでのわずかな滞空時間で、さまざまな技を繰り出してその複雑さを競うというものです。ですので、厳密にはレースではありません。
フリースタイル・モトクロスの魅力は、空中で繰り広げられるライダーの技の数々です。バイクのハンドルから手を離したり、ハンドルを鉄棒のように使って逆立ちしたり、時には宙返りしたりなど、非常にアクロバティックな技が繰り広げられます。技の進化のスピードは凄まじく、今では後方2回転宙返り(ダブルバックフリップ)を繰り出す選手もいます。ただし、それだけ高度な技を空中で繰り広げるわけですから事故の危険とは常に隣り合わせで、ライダーが命を落とす事故も少なくありません。
日本では、まだフリースタイル・モトクロスはスポーツとして定着していませんが、派手な見た目と豪快な技の数々でパフォーマンスとしての人気は高まっています。バイク関係のイベントや遊園地でのアトラクションなど、競技というよりデモンストレーションとして行われることが多いです。自分で始めるにはなかなか難しいスポーツですが、観戦することはそう難しいことではないので、まずは一度ご覧になってはいかがでしょうか。その豪快な技の数々に衝撃を受けること確実です。
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