どれだけバイクテクを身に着けていても、事故はいつ起こるかわかりません。プロのバイクレーサーが一般道で事故死した事例などもあります。一般道では、危険を予測し回避するためのバイクテクも必要となります。ここでは、危険を回避するための予測運転の基本を説明します。
予測運転の基本は、人によって時間感覚が違うことを理解すること
人間には個人個人の時間感覚=「主観時間」というものがあります。個人が感じている時間の流れは、実は人によってそのスピードが異なっていて、同じ1秒でも客観的時間と比較して速く感じる人もいれば遅く感じる人もいます。一人の個人でも、楽しいときにはあっという間に時間が過ぎ、退屈な時間は遅く感じるなど、状況によって時間感覚が変化します。例えばバイクでUターンをする場合、ちゃんと後方を確認したにも関わらず、発進しようとした途端、後ろからクラクションを鳴らされるようなことがあります。これはライダーの時間感覚が操作に気を取られ、実際にかかっている時間より短いように自覚していることが原因と考えられます。自分と他人(自動車の運転手)の時間感覚はずれていることを常に意識しながらバイクを運転することが、予測運転のためのバイクテクといえるでしょう。
予測運転には集中力の維持が重要
予測運転を行うには、集中力を持続する必要があります。市街地の一般道では、対向車や通行人など、注意すべき事柄も多く注意力を維持しやすいですが、高速道路での走行は事情が違ってきます。高速道路の場合、直線が延々と続き、速度変化も少なく、景色も変化が乏しく単調になりがちです。そうなると意識への刺激が減り、いわゆる「緩慢運転」の状態になりがちです。眠気を催すこともあるでしょう。もちろんこれは危険な状態です。高速道路では運転時の注意力を維持するため、こまめに休憩を取ることも重要なバイクテクとなります。眠気を感じたら仮眠を取ることもオススメです。
「緩慢運転」は渋滞でも陥りやすいので注意が必要です。惰性的な運転が続いて、つい意識がぼーっとしてしまい、気づいたら危うく追突、といった事態もしばしば起こります。逆に緩慢運転や居眠り運転のクルマに追突される危険性もあります。夜など、視界不良時は更に危険性があがるので、渋滞の列にあえて入るほうが安全な場合があります。いずれにせよ、周囲の状況への注意力を維持し、後続車をミラーでチェックすることを忘れないよう、心がけることが大切なバイクテクとなります。
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