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サスペンションメーカー、showaの魅力とは?

日本が世界に誇るサスペンションメーカー

showa(ショーワ)は埼玉県行田市に本社を置いていた自動車部品メーカーです。とくにサスペンションの評価が高く、F1をはじめとした多くのモーターサイクルスポーツで優れた実績を重ねています。しかし後述するように2021年に吸収合併により解散、メーカーとしての歴史を終えています。

 

showaの歴史

showaの歴史は1938年、東京都板橋区に設立された「昭和航空精機株式会社」からはじまります。その名前の通り当初は航空関連のメーカーでした。戦後の1946年に東京都北区に本社を移転したうえで株式会社昭和製作所に社名を変更、さらに1953年から2輪車用のショックアブソーバーの開発を開始しています。現在まで語り継がれるshowaの歴史がスタートしたのは、この時期からといってもよいでしょう。

大きな転機となったのが1953年、ホンダの大ヒット商品となったスーパーカブ用のサスペンションの量産を開始したことです。これによって自動車部品メーカーとしての地位を確立、さらに翌1959年にはマン島TTレースにおいて2輪用のショックアブソーバーの供給をスタート、モーターサイクルスポーツの分野においても優れた技術力を提供できることを証明しています。

60年代からは経営規模を拡大しつつ、国内のみならず海外への輸出も積極的に行うようになります。そしてshowaの技術力が世界に広く知れ渡るようになるのが1980年代後半、F1の舞台でマクラーレン・ホンダが1988年から史上初の4年連続の総合優勝を記録、そのマシンに同社のショックアブソーバーを搭載していたことで高い評価を受けました。

その後も高い評価を受けつつ活動を続ける一方、他の会社との吸収合併が繰り広げられていきます。1993年には精機技研工業株式会社と合併したうえで社名を株式会社ショーワに変更、さらに翌94年にはアメリカの子会社と合併しています。そして最大の転機となったのが2020年、ホンダによる株式公開買い付けが行われたうえで上場廃止、ホンダの完全子会社となったことです。さらに2021年には日立オートモティブシステムズ、ケーヒン、日信工業との間で経営統合が完了、日立Astemoとして再スタートを切ることによってメーカーとしてのShowaの名前が消滅することになり、ブランドとしてのみ残ることになりました。

このようにメーカーとしては名前は消滅しましたが、これまで培ってきたshowaの技術力はこれからも新しい社名のもとでブランド名の形で受け継がれ、これからもサスペンションをはじめとした優れたパーツを生み出していくことでしょう。今後の活躍にも期待したいものです。

 

 

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